注文住宅,予算
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注文住宅で理想の住宅を実現するためには、予算を明確にしておく必要があります。少なすぎても希望を叶えるのは難しいですし、多すぎても支払いが大変になってしまいます。予算を立てるためには、本体価格とその他の費用がどれだけかかるか把握しなければなりません。そこでこの記事では、諸費用の内訳と予算の立て方をお伝えします。

目次

  1. 注文住宅の費用の内訳
    1. 土地購入費用
    2. 所有している土地にかかる費用
    3. 建築費用
    4. 建築にかかる諸経費
    5. ローン諸経費
    6. その他、新しい家に住むことでかかる費用
  2. 注文住宅の購入予算の決め方
    1. 住宅ローンを借りられるだけ借りる?
    2. ローン返済額の目安は年収の20%~25%
  3. 注文住宅の購入予算は諸費用と返済しやすい借入額を考えて立てる

注文住宅の費用の内訳

注文住宅にかかる費用は、大きく土地と建物に分けられます。まずは土地にかかる費用から解説します。

土地購入費用

主な費用は土地代ですが諸経費も無視できません。仲介手数料の上限は土地代が400万円を超える場合、「土地代×3%+6万円+消費税」です(土地代そのものの消費税は非課税です)。不動産業者が自社の物件として販売している場合は、仲介者がいないので仲介手数料はかかりません。

土地の取得には登録免許税、不動産取得税がかかります。登録免許税の税率は固定資産税評価額(市場価格のおおむね7割)の1.5%※、不動産取得税は自治体によって異なり、基本的に1.5%※ですが、土地の上に住宅を新築する場合は軽減税率が適用され、実質的に非課税となることも少なくありません。

※登録免許税は2022年3月31日、不動産取得税は2024年3月31日までの軽減税率です。

契約の際には印紙税がかかり、税額は土地代1,000万円超5,000万円以下の場合で1万円、5,000万円超1億円以下の場合で3万円です。登記を司法書士に依頼すると5万円~10万円ほどかかります。

所有している土地にかかる費用

購入や相続・贈与などで手に入れた土地は、住宅を建てるのに適した状態にするよう調査や整備の費用がかかることがあります。隣地との境界が曖昧な場合は測量費も必要です。相場は測量費と地盤調査費がそれぞれ3万円~10万円ほどです。

地盤の改良が必要な場合は100万円程度かかることもあります。また場合によっては水道やガスの引き込みに数十万円かかることもあります。

建築費用

建築費用は、建物の仕様はもとより依頼するハウスメーカーや工務店、設計事務所によっても変わります。よく坪単価で示されることが多いのですが、設備や間取り、デザイン、屋外付帯設備の仕様などによって大きく変わるのでおおまかな目安に過ぎません。

電気やガス、給排水の引き込み、駐車場、庭、門扉などの付帯設備は建物本体価格の15~25%ほどかかることがあります。設計料は設計事務所に依頼する場合、同10~15%が相場です。ハウスメーカーの場合は工事費に含まれているのが一般的です。

ちなみに住宅金融支援機構の「2019年フラット35利用者調査」によると、首都圏の注文住宅の所要資金は3,772万円、土地付き注文住宅の場合は4,993万円でした。

建築にかかる諸経費

着工前に自治体へ「建築確認申請」が必要です。検査申請料は10万円程度ですが、これとは別に代行手数料が発生します。業者によって変わりますが、20万円~数十万円です。

家を建てる際には、着工前に地鎮祭、骨組みができあがった際に上棟式を行います。神主さんに渡す初穂料とお供え物代の他、上棟式の際には職人さんに祝儀を包み、お酒とつまみでもてなします。

地域による違いもありますが、地鎮祭は5万円、上棟式は10万円が目安です。最近はこれらの儀式を省略したり簡略化したりするケースも増えています。

また建設工事請負契約にも印紙税がかかります。税額は前述の土地売買と同じ、1万円~3万円程度です。家が完成したら所有権保存登記を行います。登録免許税の税率は固定資産税評価額の0.15%です(2022年3月31日まで)。不動産取得税は東京都の場合「(固定資産税評価額 − 1,200万円)×3%」です。

ローン諸経費

ローンを組む際にも抵当権設定登記が必要になります。登録免許税は借入額の0.1%です(2022年3月31日まで)。司法書士への報酬も別途かかります。金融機関によっては調査費や手数料が数万円から数十万円かかることがあるので注意が必要です。

その他、新しい家に住むことでかかる費用

上記は土地を買って注文住宅を建てたときに想定される費用ですが、この他にも新居に引っ越すにあたってかかる費用があります。まず引っ越し費用です。

世帯の人数や物の量、新居までの距離によって変わりますが、10万円~数十万円見込んでおく必要があります。3月などの繁忙期は特別料金となる可能性があるので、早めに予約しておきましょう。

ローンを組むことを前提で購入予算を考えるのであれば、ランニングコストを考慮しておいたほうがよいでしょう。まず固定資産税です。税率は固定資産税評価額の1.4%ですが、土地の200平方メートル以下の小規模住宅用地については課税標準額(固定資産税評価額)を6分の1とする特例があります。

都市計画区域は固定資産税評価額に対して税率0.3%の都市計画税もかかります。いずれも1月1日時点における所有者に請求されるので、建物が完成する前の土地に対しても発生します。

家屋については、土地と同じように固定資産税評価額に対して1.4%の固定資産税が課税されますが、新築住宅には2022年3月31日までに新築した場合、税額減額措置が適用され、3年間税額が2分の1になります。また、都市計画税は固定資産税評価額に対して0.3%が課税されます。

賃貸住宅と違い、修繕費も自分で負担することになります。住宅の規模にもよりますが、1ヵ月あたり1万円~2万円ほどみておくとよいでしょう。

建物には火災保険も必要です。保険料は建物の保険金額2,000万円、家財の保険金額1,000万円の場合、地震保険付きで年間10万円ほどが相場です。

注文住宅の購入予算の決め方

注文住宅でどれだけ希望を実現できるかは、最終的に予算との兼ね合いになります。予算が低ければ理想を叶えるのは難しくなりがちですが、高くすればローン返済などのやりくりが大変です。そこで、購入予算の考え方を検討してみましょう。

住宅ローンを借りられるだけ借りる?

住宅ローン商品には返済比率が制限されていることがあり、年間の返済額が年収の20~40%以下になるようになっています。また、借入額は年収の5倍~8倍ということもよく聞きます。では、これらの上限までローンを組んだほうがよいのでしょうか。

例えば、返済比率の上限が35%の場合、世帯年収700万円の一家は年間返済額245万円(月間返済額約20万円)まで予算を見込んで良いのでしょうか。

答えは、上限まで借りることを前提にするのはやめたほうがよいということになります。

なぜなら、借りられる額が返済できる額とは限らないからです。人生には、出産、子どもの進学といった様々なライフイベントがあり、その際には大きな支出がともないます。また転職をすれば収入が変わりますし、怪我や病気といった不測の事態が起こり、想定外の出費が必要になることは十分にありえます。

それらを想定せずに借りてしまい、返済が滞ってしまったらどうなるでしょう。最悪のケースとして考えられるのは、せっかく購入した住宅を手放す・・・そのような事態も想定されます。このような局面に陥らないよう、無理なく返せるプランを組む必要があります。

ローン返済額の目安は年収の20%~25%

無理なく返済できるローンの目安は年収の20%~25%ほどといわれています。例えば年収700万円の場合、その25%を年間返済額とすると、毎月のローン返済額は約14万6,000円となります。頭金を1,000万円用意し、金利1.5%、35年元利均等返済で試算すると、借入可能額は4,768万円です。

前述の通り諸費用については幅があるのですが、おおむね総額(土地を除く)に占める建物本体価格の割合は6~7割ほどになると考えられます。仮にローン借入額を4,500万円とすると、建物本体価格の予算は2,700万円~3,150万円です。

注文住宅の購入予算は諸費用と返済しやすい借入額を考えて立てる

注文住宅は建物の本体価格だけでなく、付帯工事費用や建築確認の申請費用などの諸費用がかかります。本体価格は総工事費用の6~7割ほどを見ておくとよいでしょう。

土地の購入から始めるのであれば、その代金と諸費用も必要になります。年間のローン返済額は年収の20%~25%が目安です。諸費用と返済可能額を見込み、無理のない予算を立てましょう。

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