賃貸併用住宅でローンを軽減しながら節税 利用するときの注意点は?
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賃貸併用住宅とは、戸建住宅と賃貸住宅を組み合わせた建物のことです。賃貸併用住宅によって家賃収入を得て、住宅ローンの軽減が可能です。また、相続税対策にも効果を発揮します。ここでは、賃貸併用住宅の節税効果の仕組み、利用するときの注意点、どのようなご家族に向いているのかなどについて解説していきます。

目次

  1. 賃貸併用住宅で住宅ローンの負担を軽減できる
    1. 普通の戸建住宅を購入し自分でローンを返済する
    2. 貸併用住宅を購入し家賃収入でローンを返済する
    3. 老後の私的年金にもなる
  2. 賃貸併用住宅による「固定資産税」と「相続税」の節税効果
    1. 賃貸併用住宅による「固定資産税」の節税効果
    2. 賃貸併用住宅による「相続税」の節税効果
  3. 賃貸併用住宅に住宅ローンを使いたいときの注意点
    1. メガバンクの場合
    2. 地方銀行の場合
  4. 賃貸併用住宅に向いているのはこんなご家族
    1. 賃貸併用住宅向き1「住宅ローンの負担を軽減したい」
    2. 賃貸併用住宅向き2「老後のために私的年金をつくりたい」
    3. 賃貸併用住宅向き3「将来、二世帯同居をしたい」
    4. 賃貸併用住宅向き4「相続税を節税したい」
  5. 賃貸併用住宅を選んだときのリスクと対処策
    1. 賃貸併用住宅の空室リスクについて
    2. 賃貸併用住宅の入居者とのトラブルリスクについて
  6. 賃貸併用住宅のメリット
    1. 家賃収入を得ることで住宅ローンを軽減・相殺できる
    2. 固定資産税と相続税の節税効果がある
  7. 賃貸併用住宅の経営は「建物を建てた後」が大事

賃貸併用住宅で住宅ローンの負担を軽減できる

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住宅ローンを利用して戸建住宅の建替または新築をする場合、大きく2つの方法があります。

普通の戸建住宅を購入し自分でローンを返済する

1つ目は、普通の戸建住宅を選ぶ方法です。当然ですが、この場合は月々のローンをそのまま自分で払っていくしかありません。

貸併用住宅を購入し家賃収入でローンを返済する

もう1つは、賃貸併用住宅を選ぶ方法です。この場合は家賃収入で住宅ローンの一部、 ケースによっては全額をまかなうことも可能になります。わかりやすくいえば「住宅ローンの負担を軽減できる家」が賃貸併用住宅なのです。

老後の私的年金にもなる

その後、住宅ローンを返済し終われば「家賃収入-諸経費・税金」の手残りを私的年金にできます。最近では将来の公的年金の不安が取り沙汰されていますが、家賃収入による私的年金によって足りない分をカバーすることも可能なのです。

賃貸併用住宅による「固定資産税」と「相続税」の節税効果

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賃貸併用住宅を選ぶことで、固定資産税と相続税の節税効果もあります。これが土地オーナーや資産家の人たちにも賃貸併用住宅が選ばれている大きな理由です。

賃貸併用住宅による「固定資産税」の節税効果

賃貸住宅の敷地は「小規模住宅用地」の扱いになるため、固定資産税の標準課税額が通常の6分の1(都市計画税は3分の1)まで軽減されます。

固定資産税
(特例措置)
都市計画税
(特例措置)
小規模住宅用地 価格×(6分の1) 価格×(3分の1)
一般住宅用地 価格×(3分の1) 価格×(3分の2)

ただし、軽減されるのは「戸数×200平方メートル」までの敷地です。これを超える部分は、課税標準額が通常の3分の1(都市計画税は3分の2)までの軽減となります。

賃貸併用住宅による「相続税」の節税効果

賃貸併用住宅は「小規模宅地等の課税の特例」の対象となるので、下記の表のように(限度面積の範囲内で)相続税評価額を自己居住用(自宅)部分は80%減、賃貸住宅部分は50%減にすることができます。

宅地区分/用途 減額割合 限度面積
居住用/自宅部分 80% 330m²
貸付事業用 賃貸住宅部分 50% 200m²

※ただし、「小規模宅地などの課税の特例」にはさまざまな要件があります。くわしくは国税庁の公式サイトをご参照ください。

国税庁 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm

このように「小規模宅地等の課税の特例」は減額割合が大きいため、活用することで相続税を大幅に減らす効果が期待できるのです。

賃貸併用住宅に住宅ローンを使いたいときの注意点

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「賃貸併用住宅だと、一般の住宅ローンを使えなくなるのでは……」と心配されている 人もいらっしゃるかもしれません。この点については、各金融機関が設定している要件さえ満たせば、一般の住宅ローンで賃貸併用住宅を建てられます。

メガバンクの場合

一例ではメガバンクのM銀行の場合、賃貸併用住宅の総床面積に対して、オーナー様がお住まいになる「自己居住用部分が50%以上」を占めていれば、賃貸部分も含めて1本の住宅ローンが利用可能です。なお、借入金額は 50万円以上1億円以内の設定です。

地方銀行の場合

地方の中堅S銀行の場合も同様に、自己居住用部分の割合が50%以上であれば、一般の住宅ローンを利用できます。もし、自己居住用部分の割合が50%未満になると、投資用不動産ローンの利用になるとのことです。

S銀行の借り入れ上限は4億円です。金融機関ごとに上限金額や金利の設定が異なるため、複数の金融機関を比較した上で決定するのが賢明でしょう。

条件 借入金額
M銀行 自己居住用部分が50%以上 50万円以上1億円以内
S銀行 自己居住用部分が50%以上 4億円まで

賃貸併用住宅に向いているのはこんなご家族

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ここまで賃貸併用住宅のメリットである「家賃収入で住宅ローンが軽減・相殺できる」「節税効果がある」について解説してきました。その内容を踏まえると、賃貸併用住宅ととくに相性がよいのは下記のようなご家族と考えられます。

1.住宅ローンの負担を軽減したい
2.老後のために私的年金をつくりたい
3.将来、二世帯同居をしたい
4.相続税を節税したい

賃貸併用住宅向き1「住宅ローンの負担を軽減したい」

「建替・新築をしたいけれど、住宅ローンの負担が心配」というご家族には賃貸併用住宅が向いています。ただし、「家賃収入を得ることで、どれくらい住宅ローンの負担が軽減できるか」を綿密に計算してから建築に着手しましょう。

賃貸併用住宅向き2「老後のために私的年金をつくりたい」

人生100年時代を迎えて「公的年金や貯蓄だけでは老後が心配」という人が増えています。住宅ローン完済後の家賃収入を私的年金にすることで、悠々自適の老後が叶えやすくなります。

賃貸併用住宅向き3「将来、二世帯同居をしたい」

例えば、1階が入居者に貸す賃貸部分、2階が自分たちの住む住居部分という賃貸併用住宅を建てたとしましょう。

将来2世帯同居を考えたとき、この賃貸部分を子世帯が住むスペースに転用することも可能です。ただし、賃貸借契約の終了後にスムーズに入居者が退去してくれるよう契約上の工夫が必要です。

賃貸併用住宅向き4「相続税を節税したい」

預金や上場株式などで資産を保有していると、相続税評価額が100%になるため相続財産が多い人は要注意です。賃貸併用住宅を建てて借入金を増やしたり、新規で土地を購入して賃貸併用住宅を建てたりするなどの方法で相続税の節税効果が期待できます。

賃貸併用住宅を選んだときのリスクと対処策

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賃貸併用住宅には「家賃収入が得られる」「節税効果がある」というメリットがある一方 、空室発生や入居者とのトラブルなどのリスクもあります。この点についてどう考えるべきでしょうか。

賃貸併用住宅の空室リスクについて

空室リスクへの具体的な対処方法は、賃貸併用住宅を検討している段階で建設予定地に賃貸ニーズがあるかを確認することです。

「入居者を見込めるか」「アパートが建ちすぎていないか」などの情報をその地域に強い不動産会社にヒアリングしたり、ネットで収集したりしましょう。

ちなみに、賃貸住宅を一括借上げしてもらうサブリース契約を利用する場合も、入居者ニーズを確認することが重要です。なぜなら、長期空室が発生すると契約家賃を引き下げられる可能性があるからです。

賃貸併用住宅の入居者とのトラブルリスクについて

初めて大家業をされるオーナー様であれば、同じ敷地内で他人(入居者)と暮らすことに抵抗のある人もいらっしゃるかもしれません。

この心配については、玄関やそこに至るまでのアプローチをオーナー様と入居者様で分けることでプライバシーが守りやすくなります。施工業者にプライバシー重視の設計を相談しましょう。

賃貸併用住宅のメリット

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この記事を通して、賃貸併用住宅の基本をご理解いただけたと思います。とくに重要な部分をおさらいしましょう。

家賃収入を得ることで住宅ローンを軽減・相殺できる

賃貸併用住宅には、大きなメリットが2つありました。

1つ目は、家賃収入を得ることで住宅ローンを軽減・相殺でき、さらに完済後に私的年金にできることです。

固定資産税と相続税の節税効果がある

2つ目は、賃貸併用住宅にすることで固定資産税と相続税の節税効果もあります。

また、「賃貸併用住宅に一般の住宅ローンを使えるのか」については、総床面積の50%以上が自己居住用部分であるなどの要件を満たせば利用可能でした。

賃貸併用住宅の経営は「建物を建てた後」が大事

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賃貸併用住宅の経営は「建物を建てた後」が大事です。その意味で、入居者募集をする仲介会社、物件管理をする管理会社などの役割は大きいです。

合わせて、建物に不備があったときやリフォームに対応してくれる建築会社・リフォーム会社の存在も欠かせません。賃貸併用住宅を採用するなら、長期にわたって安心して頼れるパートナーを見つけることに徹底してこだわりましょう。

>>賃貸併用住宅をお考えの方はこちらから相談が可能!

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