新築住宅の購入時に利用できる補助金や減税制度を確認しよう
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新しい住まいの購入は新たな生活を始める人生の一大イベントです。一方で新築住宅購入には大きな費用が掛かります。夢の実現をかなえながらも、経済的負担は少しでも軽くしたいところです。新築住宅購入における経済的負担の軽減ために、さまざまな制度があります。ここではどんな制度があるか、その概要を確認していきます。

目次

  1. 新築住宅購入時に利用できる補助金にはどんなものがある?
    1. すまい給付金
    2. 地域型住宅グリーン化事業
    3. グリーン住宅ポイント制度
    4. ZEH支援事業
    5. 各自治体が実施している補助金
  2. 新築住宅購入時に受けることができる減税制度
    1. 住宅ローン減税
    2. 登録免許税の軽減
    3. 不動産取得税
    4. 固定資産税
  3. その他活用できる制度
  4. 年度ごとに内容が見直される制度

新築住宅購入時に利用できる補助金にはどんなものがある?

住宅購入における経済的負担を軽減する制度には、主に「補助金が給付」されるものと「税金が軽減(減税)」されるものといったように大きく2つに分けられます。まずは、補助金に関する制度について見ていきましょう。

すまい給付金

すまい給付金は、消費税率引上げによる住宅取得者の負担を軽減するために創設された制度です。そのため、適用対象の住宅は消費税率8%、または10%が適用された住宅が対象となります。他にも床面積が50平方メートル以上(緩和要件あり)であることや、住宅の質に関する一定の要件を満たしているといった住宅要件もあります。

給付対象者には収入要件があり、都道府県民税の所得割額をもとに判断されます。収入額の目安(消費税10%の場合)は住宅ローン利用者で775万円以下、住宅ローンを利用しないで住宅を取得した現金取得者で650万円以下となります。さらに現金購入者の場合は年齢が50歳以上といった年齢要件もあります。

2021年12月31日までに引渡され入居が完了した住宅を対象としていますが、以下の期間内に契約した場合は2022年12月31日までに引渡され入居が完了した住宅が対象です。

注文住宅の新築の場合 2020年10月1日〜2021年9月30日まで
分譲住宅・中古住宅の取得の場合 2020年12月1日〜2021年11月30日まで

収入に応じて給付基礎額が決まり、それに不動産の持分割合を掛けた額が給付額となり、最大50万円が給付されます。

(出典:国土交通省 すまい給付金

地域型住宅グリーン化事業

地域型住宅グリーン化事業とは、地域の木材関連事業者、建材流通事業者、中小住宅生産者等が連携体制(グループ)を構築し、省エネルギー性能や耐久性等に優れた木造住宅などを供給することに対して支援を行う事業です。

地域型住宅グリーン化事業を活用するためには、国土交通省の採択を受けたグループに所属する施工事業者に依頼する必要があります。そして一定の水準を満たした木造住宅を建てることにより補助金が支払われます。申請は工務店が行い、補助金は工務店を通して住宅取得者に還元される形となります。

対象となる住宅タイプには長期優良住宅、高度省エネ型、ゼロ・エネルギー住宅、省エネ改修型があり、補助額上限は住宅タイプごとに異なりますが最高140万円です。

また補助金には「若者・子育て世帯加算」、「地域材加算」、「三世代同居加算」といった加算メニュー(各加算メニューの併用は不可)があり加算上限は30万円(地域材加算は20万円)となっています。

(出典:地域型住宅グリーン化事業

グリーン住宅ポイント制度

グリーン住宅ポイント制度は新型コロナウイルスの影響により落ち込んだ経済の回復を図るための住宅需要喚起対策として、一定の性能を有する住宅を取得する人に対して追加工事やさまざまな商品と交換できるポイント(1ポイント=1円相当)を発行する制度です。

この制度は新築住宅の購入だけでなく、中古住宅の購入、リフォーム工事などでも条件を満たせば対象となります。新築住宅の建築・購入での対象者は、自ら居住する住宅の購入者で、2020年12月15日〜2021年10月31日までに最初の契約を締結した人になります。

【グリーン住宅ポイントの対象期間】
2020年12月15日〜2021年10月31日
※期間内に最初の契約を締結した人に限る

対象となる新築住宅は、高い省エネ性能等を有する住宅(認定長期優良住宅、認定低炭素建築物、性能向上計画認定住宅、ZEH)や一定の省エネ性能を有する住宅(日本住宅性能表示基準で定める断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上)となります。

発行されるポイントは一定の省エネ性能を有する住宅で30万ポイント、高い省エネ性能等と有する住宅で40万ポイントです。また以下に該当する場合はポイント加算(一定の省エネ性能で30万ポイント、高い省エネ性能で60万ポイント)があり、加算後では最高100万ポイントとなります。

(出典:グリーン住宅ポイント

ZEH支援事業

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業とは、環境省・経済産業省が主体となる事業で、住宅内で使用される一次消費エネルギー量が「実質0」となる住宅の普及推進を支援する事業です。ZEHは「ゼッチ」と呼ばれています。

対象となるのは、新築住宅を建築・購入もしくは自己所有の既存住宅を改修する個人です。また、対象となる住宅は自ら居住する戸建て専用住宅で、登録されたZEHビルダーやプランナーが設計、建築、改修または販売を行うZEHとなります。

補助金のメニューには(1)ZEH、(2)ZEH+、(3)次世代ZEH+、(4)先進的再エネ熱等導入支援事業があり、(1)~(3)のいずれかのメニューを利用でき、(4)は(1)~(3)のメニューに併用して利用する制度です。補助金額は以下の通りです。

(1)ZEH 定額60万円
(2)ZEH+ 定額105万円
(3)次世代ZEH+ 定額105万円
(4)先進的再エネ熱等導入支援事業 最大90万円

(出典:2021年の経済産業省と環境省のZEH補助金について

各自治体が実施している補助金

国により展開されている補助金制度だけでなく、自治体によっては独自に実施している制度もあります。例えば、神奈川県厚木市が実施している「親元近居・同居住宅取得等支援事業補助金制度」では、親世帯と近居・同居のため市外から転入する子世帯で要件を満たすことで住宅取得補助金が最大で60万円支給されます。

また、補助金以外にも住宅資金の借入にかかる金利負担を軽減するために、要件を満たすことで利子補給(住宅ローンの利子の一部、もしくは全てを負担すること)を実施している自治体などもあります。住む予定の地域で自治体による独自の制度がないか確認するようにしましょう。

新築住宅購入時に受けることができる減税制度

税金の負担軽減を図ることで、住宅購入を後押ししている減税制度もあります。

住宅ローン減税

住宅ローン減税は、10年以上の借入期間のある住宅ローンを利用して住宅を購入した人が利用できる制度です。住宅ローン控除とも呼ばれたりしますが、正式名称は「住宅借入金等特別控除」です。

確定申告することにより、年末の住宅ローン残高の1%が所得税から控除されます。また所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除されます。

住宅購入時に適用された消費税率および居住した時期により最大控除額は異なります。例えば消費税率10%の場合、一般住宅だと40万円、認定住宅(認定長期優良住宅または認定低炭素住宅)だと50万円が年間最大控除額となり、控除期間は10年となります。

なお、通常10年が控除期間ですが、2019年10月1日に実施された消費税8%から10%への引き上げにともない、住宅ローン減税の拡充措置が取られました。

この措置により購入した物件に適用された消費税率が10%であるなどの要件に該当する場合については、控除期間が3年間延長されています。また新型コロナウイルス感染症による影響を緩和する措置も講じられています。

延長された分の3年間(11~13年目)の年間控除額については以下のいずれか小さい額となっています(ただし年間最大控除額以内)。

  • 借入金年末残高×1%
  • 建物購入価格×2%÷3

(出典:国土交通省 住宅ローン減税制度について

登録免許税の軽減

新築購入時における所有権保存登記などかかる登録免許税について一定要件を満たす住宅であれば、軽減特例を受けることができます。

所有権保存登記の場合の軽減税率は、対象住宅のタイプにより以下のように異なります。なお、登録免許税は固定資産税評価額に税率を掛けたものとなります。

住宅タイプ 原則税率 軽減税率
一般住宅 0.4% 0.15%
低炭素住宅 0.1%
長期優良住宅 0.1%

(出典:国税庁 No.7191 登録免許税の税額表

不動産取得税

不動産取得税は建物・土地を取得したときに課税されますが、一定の要件を満たす新築住宅では軽減特例を受けることができます。なお、不動産所得税の原則税率は4%ですが、住宅としての建物・土地については軽減税率3%が適用(2024年3月31日まで)されます。

不動産取得税は固定資産税評価額(課税標準額)に税率を掛けて求めます。ただし特例として、宅地の場合は固定資産税評価額の1/2を課税標準額とした特例が2024年3月31日まで適用されます。さらに宅地の不動産取得税からは以下のいずれか大きいほうの軽減額が引かれます。

  • 4万5,000円
  • (土地1平方メートルあたりの固定資産税評価額 × 1/2)×(課税床面積 × 2(200平方メートル限度))× 3%

また建物については固定資産税評価額から1,200万円(長期優良住宅の場合1,300万円。ただし2022年3月31日までに取得の場合)を控除した額が課税標準額となります。

(出典:東京都主税局 不動産取得税

固定資産税

新築住宅の建物にかかる固定資産税について、2022年3月31日までに新築された住宅の場合、120平方メートル(課税床面積)までの部分については以下のような軽減特例を受けることができます。

新築一般住宅の固定資産税の軽減 固定資産税×1/2(3年間)
新築認定長期優良住宅の固定資産税の軽減 固定資産税×1/2(5年間)

(出典:東京都主税局 固定資産税)

その他活用できる制度

例えば親から資金援助を受けたとします。通常、受け取った一定額以上の資金には贈与税がかかり、受け取った人は贈与税を納税する必要があります。

しかし、その資金援助の目的が自ら住むための住宅の新築や購入であれば、一定の要件を満たしていることで一定額までの贈与については贈与税が非課税となります。これは「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」の制度です。

新築住宅を取得するために契約した日および、取得時に適用された消費税率によって非課税限度額は異なりますが、契約日が2020年4月1日〜2021年12月31日の場合、省エネ等住宅で1,500万円、それ以外の住宅では1,000万円が限度額となります。

親からの住宅購入の資金援助を受けることで経済的負担が軽くなりますが、さらに贈与税の非課税措置を受けることで税負担も軽減できます。親からの資金援助を受けられる人は活用したい制度です。

(出典:国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

年度ごとに内容が見直される制度

新築住宅購入時に利用できるさまざま補助金や減税制度の概要を確認してきましたが、各制度には「期日」があるものも多くあります。実際には、それら期日も含め年度ごとに制度内容が見直されて頻繁に変更が生じています。

また、新しい制度が始まったりもします。各自治体よる制度などはあまり周知もされないことから、制度の存在に気づかないこともあるかもしれません。新築住宅の購入を考えている人は、住宅設計や土地探しだけでなく、住宅取得の経済的負担を少しでも軽くするために最新の制度をよく調べてみてはいかがでしょう。

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